組立設備の設計を始めて実施する際に、設備で使用される5つの要素をあげます。設備を設計を始める前に、設備へ求める要件として、5つの分類に分けて理解し、1つの要素を決める際に関連要素がどのような構成がとるかまとめながら、考えると理解が深まっていき、関係者との打ち合わせ時が非常にスムーズになると思います。さっそくですが、
- センサー
- メカニズム
- アクチュエータ
- コントローラ
- インターフェイス
これらの要素を組み合わせることで、自動化システムは機能します。各要素ごとに機能を選定し、設計を進めていくことで、効率的な自動化システムの設計が可能です。
自動化システムの要素の関係性を図示します。各要素のデータの方向を示して、矢印の上に代表的なデータを記載しています。各要素の説明と具体例をあげていきます。
センサー
- センサーは自動化の目や触覚の変わりです。その役割は必要な環境な変化を感知することです。
- 例えば、近接センサーは物体が一定の範囲内にあることをOn/OFFで確認できることで、機械が安全な範囲内で動作することを保証し、アクチュエータの物理的干渉の手前でONするようにメカリミットとして使われます。フォトマイクロなども同様の用途で使われます。
- また、光電センサーは製品の有無(On/Off)を検出して、コントローラに伝え次のアクチュエータの動作が決定に利用されます
- 温度センサなどは電圧値(0~10V)などで周囲の温度に合わせて、コントローラに出力します
- カメラもセンサに含まれ、カメラのデータをコントローラで処理して、(例:画像処理)ON,OFF信号や数値データをコントローラに送ることになります。
- 例:キーエンス、オムロン、パナソニック
コントローラ
- コントローラは「自動化システムの脳」とも呼ばれ、入力されたセンサーデータを解析し、プログラミングされた命令をアクチュエータ(例:位置の調整や起動のOn/Off)に送ります。
- プログラム可能なロジックコントローラ(PLC)は、多くの自動化システムで利用され、ラダーやSTなどの言語を使用してプログラムされます。
- コントローラはモータなどの位置を任意で設定可能なような機器はドライバを介し制御します。モータなどそのものをアクチュエータと呼ぶ場合もあれば、ドライバー+モータでアクチュエータとも呼ぶことがあります。
- コントローラは各種インターフェースとの互換性を持ち、様々なアクチュエータと連携して動作します。
- 例:三菱電機,オムロン
アクチュエータ
- アクチュエータは、「自動化システムの筋肉」です。コントローラの指示に応じて機械的な動きを生みます。
- モーターやエアシリンダーは、コントローラからの(例:位置の調整や起動のOn/Off)を受け取って動く一般的な例です。
- モータなど位置決めが必要な動作の方法は、レディー信号を確認し、正常に通信できることを確認してから、ポジションをセットし、スタート信号を送るとアクチュエータが動きます、動作中はBusy信号がでて、動作完了時に位置決め完了信号PLCなどのコントローラからの指令に基づき動作します。
- 使用する機器にタイミングチャートが記載されていますので、どのような形で動作するか、確認が必要になります。
- 例:三菱電機,安川電機,SMC,KOGANEI,IAI,
メカニズム
- メカニズムは「自動化システムの骨や関節」です。機械が必要とする動きを作り出すために、様々なメカニズムが活用されます。歴史的にはカム機構が多用されましたが、現代ではボールスクリューやリニアモータなどといったより効率的なメカニズムが使用されています。
- 搬送には、コンベヤやロボットアームなどが使われます。
- メカニズムには、他にも歯車、ベルト、チェーン、クランクなど様々なものがあります。
- メカニズムの先にはツール(例:チャック、吸着パッド,カッター)がつき、ワークに対して、搬送や加工を実施します。
- 例:THK,IKO,NB,椿本チェイン
インターフェイス
- 最後に、人間がシステムを操作し、監視するためのインターフェースが存在します。タッチパネルスクリーンやボタンなどを通じて、ユーザーはシステムの進行状況をチェックし、必要に応じて調整を行えます。
- これらの要素が有機的に結合することで、自動化システムは様々な業界で活躍することができます
- 各FA機器メーカが販売しているタッチパネル機器には、EtherCatやCC_Linkなどの高速相互通信が可能なインターフェイスがついており、各アクチュエータを制御するコントローラへの瞬時指令や状態監視を実施することが容易に実施することができます。
- 装置にはスイッチ類がつき、非常停止ボタンや装置の起動ボタンなどが付けられます。
さいごに
5つの自動化要素が合わさって、設備の自動化の設計は行われます。センサーが環境を監視し、コントローラがデータを処理し、アクチュエータとメカニズムが物理的な動作を引き起こし、最終的にはインターフェイスを通じて人間がシステムを監視・制御することになります。どこかの状態を切り取るとかならず図のようになっていると思います。要素ごとに切り分けることで、理解がしやすいと思います。
参考コード(mermaid)
sequenceDiagram
actor オペレータ
⑤インターフェイス->>②コントローラ:[スイッチON/OFF] 数値入力
⑤インターフェイス->>オペレータ :[視覚:表示灯,HMI][音:ブザー]
①センサ->>②コントローラ: [On/Off][0~10V] など
②コントローラ->>③アクチュエータ: [位置:5mm][start ON][ON/OFFなど
③アクチュエータ->>④メカニズム:力を伝えてツールに作用させる
③アクチュエータ->>①センサ:③アクチュエータの位置を検知
④メカニズム->>ツール/ワーク:持つ。切る。つぶす。溶かす など
ツール/ワーク->>①センサ:④メカニズムに作用されてワークの位置や状態(色、形、温度)が変わる
②コントローラ->>⑤インターフェイス:[センサのON/OFF][生産数量][ID読取結果]
オペレータ->>⑤インターフェイス:[タッチパネル操作][ボタン操作]
コメント