ボルトの強度区分と保証荷重(極低頭、低頭ボルトとの比較)

ファクトリーオートメーション

ボルトやナットををなんとなくで選定してしまい、ねじの強度が不十分であれば、部品を結合させることができずに、大きなトラブルを発生してしまいます。
ボルトの強度については、JIS B1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質-
に規格化されておりますので、ポイントを解説するとともに、例えば極低頭、低頭などとの強度区分の差をみていきます。

日本産業標準調査会:データベース検索-JIS検索 (jisc.go.jp)

JIS B1051 炭素鋼及び合金鋼製締結用部品の機械的性質-

ボルトの強度区分について、ここだけ知って使い分ければ良い。

  1. 強度区分とは、ボルトの引張強さを表した数値で、強度区分の小数点から左側の数値は、引張強(N/mm2)と1/100を示す。数値が小さいほど、強さが弱くなる
  2. 実際のボルトの頭に強度分数値の記載がある
  3. 比較例としては、下記のようになり、通常ねじと極低頭の強度の差は3倍程度になる。

ボルトの強度区分詳細

強度区分はボルトの頭に記載されている

 図にあるようにボルトの背中には数字が書いてあり機械的性質を示す強度区分を示しています。
例として、強度区分“12.9”では、“12.9”における小数点より左側の数値が、引張強さの 1/100 倍を表し、小数点とその右側の数値が、引張強さ に対する 0.2%耐力もしくは下降伏点の割合を示します。
つまり強度区分 12.9 のボルトであれば、「12」の 100 倍の 1200 MPa が引張強さとなり、1200 MPa の 約9割の 1080 MPa が 0.2%耐力 となります。
 保証荷重応力は降伏応力の90%前後に設定されています。保証荷重とは、15秒間ボルトに負荷し、除去後ボルトに永久伸びがない荷重ということになります。
つまり、繰り返し使用可能な荷重となっており、省人化における機械設計では、保証荷重を基準に考え、繰り返しねじが使える前提で設計する場合が多くなっています。
 ボルト強度区分と応力とひずみ曲線の関係を書きの図に示します。ただし、下記の図は降伏点が明確な場合を示しており、高強度部品は、降伏点が明らかにならない場合があるため、代わりに0.2%耐力やフルサイズおねじ部品の0.004 8d 耐力を用いて、弾性変形領域としています。弾性変形領域を超える力でねじを締め付けてしまうと、再利用できなかったり、ねじが破損したりするため、締付力は十分注意しましょう。自分には力があることを示したかったのか、ねじが折れるくらいの力で締めるのをポリシーにしている人がいたので、締めすぎはよくないことを説明させていただきました。

日本産業標準調査会:データベース-JIS規格詳細画面 (jisc.go.jp)

JIS B1051

おねじ部品の機械的及び物理的性質

次に各強度区分に対する保証荷重を記載します。また、FA機器で頻繁に使用する六角穴付きボルトの強度区分についてもおおよそ下記の区分の仕様のボルトとなり、強度が通常の六角穴付きボルトに比べ、低頭ボルトは半分、極低頭ボルトはさらにその半分となることは注意しましょう。設計上の保証荷重の低下のほか、引張強度も低下することに注意しましょう。
 私は、品種によって変わる部品がスペースの問題から、極低頭ボルトとしたのですが、通常のボルトと同じトルクでお客さんに締められて、破損・・・・、高価な部品だったため、慎重に放電加工を実施し、ねじ除去を実施ししました。なるべく、通常ボルトを使用しましょう。不可の場合は、ねじの締付力について十分な説明が必要です。

おねじ部品の機械的及び物理的性質
極抵当
六角穴付ボルト
低頭
六角穴付ボルト
通常
六角穴付ボルト
強度区分 4.6 4.8 5.6 5.8 6.8 8.8 8.8 9.8 10.9 12.9
d<=16mm d>16mm d<=16mm
呼び引張強さ(N/mm²) 400 500 600 800 900 1000 1200
下降伏応力[Mpa] 240 - 300 - - - - - - -
0.2%耐力[Mpa] - - - - - 640 640 720 900 1080
フルサイズおねじ部品の
0.004 8d 耐力[MPa]
- 320 - 400 480 - - - - -
保証荷重応力[MPa] 225 310 280 380 440 580 600 650 830 970

六角穴付きボルト | NBK【鍋屋バイテック会社】 (nbk1560.com)(各数値の参考)

各ネジサイズに対する保証荷重

各サイズごとの保証荷重を知りたい場合は下記にグラフ化しています。

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