機械設計において、設計上の移動量と移動時間(各アクチュエータのタクト)に対して、最高速度と加減速時間を決定させることは、各機械構成部品の選定において、必須の項目となります。
各アクチュエータのタクトを算出したものを組み合わせたものがタイミングチャートとして使われます
また、動力モーターの容量(w)の決定、ボールねじの選定(リード)、プーリ径の決定などに利用されることになります。ここでは簡易的な確認となり、実際の曲線は、加減速の力が変わった際、補完曲線(変形台形曲線などを)を描くことになり、本計算結果は(等加速度曲線)より実際は長い時間がかかることは注意しましょう。最終結果は各メーカが出している計算ソフトなどを用いて計算してください、
- 移動量が短くて、目標速度に到達しない場合の最高速度の計算方法
- 移動量,移動時間,最高速度,加減速時間との関係
- EXCELを用いたタクト計算方法(参考データ付き)
を確認することで、機械設計時に必要な速度を簡単に算出する方法を確認していきます。
移動量が短く、目標速度に達しないとは?
移動量が小さい場合、設定した速度に対して、最高速度が到達しない場合に、下の図の水色が示すような三角駆動となる場合があります。目標速度に到達することがなく、移動量に対して半分となった際に減速をしていくことになります。まずは、三角駆動になるか、目標速度に達し一定速度の領域がある台形駆動になるか確認していく必要があります。
三角駆動時の最大速度の求め方
三角駆動時の最大速度を下記の式で求め、目標の最高速度と比較します。最終的には速度が小さい方を適用することになります。式は次のようになります。
\(三角駆動時の加速時間=\sqrt{\frac{2\times(移動量/2)}{加速度(\mathrm{G})\times9810}}\)
参考:\(加速度{mm/s^2}=加速度(\mathrm{G})\times9810\)
となります。下記の条件としたとき
| 加速度(G) | 0.1 |
| 目標最高速度(mm/s) | 1000 |
| 移動量(mm) | 300 |
三角駆動時 加速時間 = 0.553s
台形駆動時の加速時間
台形駆動時 加速時間 = 1000mm/s ÷ (加速度0.1 × 9810)
= 1.02s
となるため,0.553sを使用し、三角駆動として、最高速度を求めていきます。
三角駆動と台形駆動の加速時間の比較から最高速度を算出する
三角駆動時は0.53s
台形駆動時は1.02s
となったため、ここでは、三角駆動時の加速時間、0.53sを用いて最高速度を求めていきます。
\(最高速度=
加速度0.1 \mathrm{G} \times 9810\times 三角駆動の加速時間 0.533\mathrm{s} \)
\( =542.49\mathrm{mm/s}\)
となり、最高速度が分かったため、最後にまとめて、タクト時間を求めていきます。
エクセルを用いたタクト計算
計算式をエクセルに反映し、タクトを計算できるようにしました。各タクト計算結果をタイミングチャートに反映させて書くと、装置パラメータとしても活用できます。
タクト計算ツール(参考)
エクセル版の他、簡単に確認できるようにwebでも計算が可能なタクト確認用のツールを作成しました。
参考URL
位置決め No.2 位置決め 目標速度に達するデータか否かの判定 - パナソニック (panasonic.biz)
位置決め No.3 位置決め 目標速度に達しない場合の移動時間算出 - パナソニック (panasonic.biz)
位置制御における軸パラメータの「最高速度」には、どのような値を設定すればいいですか?(omron.co.jp)
[電動スライダ・電動シリンダ] 選定方法_電動アクチュエータの仮選定|技術資料 |オリエンタルモーター株式会社 (orientalmotor.co.jp)

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